基礎のヒミツ
基礎とは、建物を支える重要な役割と害虫被害や湿気被害などを抑制または防ぐ役割もあります。
住宅では、数十年昔は「布基礎」と呼ばれる工法でしたが、いろいろな弊害から「ベタ基礎」を用いられるようになりました。
基礎工法の種類
布基礎工法は、建物の構造で土台と呼ばれる部分にのみ基礎を設け、「線で建物を支える」というイメージです。
布基礎工法
◆メリット
ベタ基礎に比べコストが抑えられる。
(鉄筋やコンクリートの量が少なくて済む)
◆デメリット
湿気が上がりやすい。
線で建物を支える為、力が部分的に集中してコンクリートにクラックや、ひどい場合は破断しそこから雨水やシロアリが侵入し構造躯体を傷める。
ベタ基礎工法
ベタ基礎は、建物の形が全て基礎で「面で建物を支える」というイメージです。
◆メリット
面で支えるので建物の荷重を逃がす為、不同沈下を起こしにくい。
建物の床下をコンクリートで囲うので薬剤土壌処理と同等のシロアリ対策になる。
湿気が上がりにくく管理がしやすい。
全てに鉄筋が入っており、クラック(ヒビ)が入りにくい。
◆デメリット
布基礎に比べコストが高くなる。
ベタ基礎の施工方法
ベタ基礎(2回打設)
住宅基礎の多くは、コンクリートを2日に分けて流し込む2回打設のベタ基礎が一般的になります。
鉄筋を基礎の形と立上り部分を組上げます。その後、ベースと呼ばれる部分にコンクリートを流し込みます。数日間はコンクリートが固まるまで養生期間を取り、ベースが固まると立上り部分にコンクリートを流し込み数日間コンクリートが固まるのを待ち完成です。
住宅基礎では、一般的に施工されている工法の為、基礎工事業者も慣れていてミスが少ない。
しかし、コンクリートの特性として一度固まったコンクリートに新しいコンクリートを流し込んでも一体のコンクリートとなることがありません。このベースと立上り部分の継ぎ目を「打継」と呼びます。
地震の大きな揺れや台風などの風による小さな揺れによって「打継」部分に亀裂が入り、シロアリや雨水が侵入することにつながる可能性があります。シロアリが構造部分の土台を食べたり、雨水の侵入によって湿気が基礎内部(床下)に溜まり構造部分を傷める(朽ちらせる)ことにつながる可能性があります。
通常時
地震による基礎崩壊(亀裂)
台風など大きな風による崩壊(亀裂)
基礎の亀裂による被害
シロアリによる被害
シロアリは建物外部から侵入してきます。一番侵入しやすい場所が、ジメジメしている土に近い部分である基礎です。
基礎に亀裂があるとその亀裂を辿って基礎内部(床下)に侵入し、構造である木を朽ちらせます。
出典元:日経アーキテクチュア
出典元:㈱エコパウダー
雨水の侵入による被害
基礎は、主にコンクリートと鉄筋でできています。その鉄筋の弱点は「水」です。
基礎の亀裂によって基礎内部に侵入た水が鉄筋に触れることで酸化し、サビが発生してコンクリートを破裂させることにつながります。基礎が脆弱化し地震や大きな地風などを受けると被害を大きくする恐れがあります。
出典元:石山テクノ建設㈱