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断熱工法には大きく分けて2つの工法があります。躯体の中に断熱材を充填する一般的な内断熱工法と、 躯体の外側に断熱する外断熱工法があり、それぞれに長所短所があります。
内断熱の短所としては柱等の構造部分(木部)の熱抵抗値が落ちることです。
外断熱のデメリットとしては重たい外壁を構造にしっかり止める為に断熱材の厚みに限界があることや、躯体の中が空洞になり、外壁が太鼓状になることによって室内の反響音が大きくなります。
ダブル断熱はただ断熱材を厚くしただけでなく、それぞれの長所短所を考慮した最適な断熱工法といえます。従来の現場発泡ウレタンフォーム(77mm)でも長期優良住宅の断熱等級3(最高値)はクリアしていますが、さらに付加加熱することによってランニングコストを削減します。
セルロースナノファイバー
セルローズファイバーとは、天然の木質繊維のことです。
天然繊維であるセルローズファイバーは、無機繊維より優れているところがたくさんあります。
その一つに自然が作った小さな空気の粒にあります。 太さが均一で、硬い針のような無機繊維に比べてセルローズファイバーは、様々な繊維が絡み合っています。
この繊維の絡み合いが空気の層をつくることはもちろん、1本1本の繊維の中にも自然の空気胞が存在しているのです。
この空気胞の存在がより一層熱や音を伝えにくくします。
さらに木質繊維特有の吸放湿性で、適度な湿度を保ちます。
自然の恵みが私たちに快適な暮らしをもたらしてくれる。
断熱性能
セルローズファイバーは壁の中に高い密度で充填するため、隙間なく施工できます。配管などの障害物で発生しやすい断熱欠損(断熱材の密度が低くなる部分)がほとんどないため高い断熱性能を発揮します。いくら断熱性能値が高い断熱材を使用しても断熱欠損が多くなってしまう断熱材では、性能値をうまく発揮することはできません。
防火性能
セルロースファイバーの原料は新聞紙と聞くと、「簡単に燃えてしまって安全性に問題があるのでは?」と思われがちです。しかし、添加されているホウ素系薬剤の効果により燃え広がることなく優れた防火性能を発揮します。右の防火実験は、バーナーでセルロースファイバーを燃やします。表面は燃えて黒く炭化しますが、全体が燃え広がることはありません。万が一の火災の時、断熱材が燃え広がりやすい場合、一瞬にして家が火に包まれることになります。しかし、防火性能に優れた断熱材を使用することで、少しでも燃え広がることを抑えることができれば、安全を確保することが可能であったり、家の全焼を防ぐことになります。そのため、断熱材の防火性能は極めて重要だと言えます。
調湿性能
セルロースファイバーの最大の特徴である調湿性能。新聞紙といえば、濡れた靴の中に入れて乾燥させるときに使用します。それは、新聞紙が高い吸放湿性能(湿気を吸ったり吐いたり呼吸をする効果)を持っているからです。セルロースファイバーはその新聞紙からできているため、高い吸放湿性能を発揮します。
では、家にとって吸放湿性能を持っているとどんな利点があるのでしょうか?まず、梅雨のジメジメしたイヤな時期。これは湿気が多いため(空気中の水分量が多い)に起こる現象です。このとき、セルロースファイバーの高い吸湿性能で空気中の湿気を吸い込む働きをします。そのため、室内では湿気が安定した快適な住空間となります。また、冬場の乾燥した時期(空気中の水分量が少ない)には、放湿性能で空気中に湿気を吐き出します。このように室内の湿度環境をある程度整えてくれる優れた性能です。
防音性能
セルロースファイバーは壁の中に隙間なく吹き込む施工を行うため、家は密封されたような状態になります。そのため、高い防音性能を発揮することができます。高い防音性能はアメリカでも認められ、空港の周辺や自衛隊基地周辺など騒音問題が発生しやすい地域の住宅にはセルロースファイバーが施工されています。音が気になる地域に住まわれる方には特におすすめの断熱材です。
私たちの生活で防音性能は大きなメリットです。例えば、近隣の方たちに気をつかわず子育てができます。夜泣きや声、走り回っても外への音漏れを防ぐことが出来るからです。他にも楽器などの演奏が趣味の方も外への音漏れを気にすることなく趣味に没頭できるかもしれません。
防虫性能
セルロースファイバーはホウ素系薬剤が添加されているため、防虫性能があります。ホウ酸団子・ゴキブリ団子と言えばお分かりになる方も多いと思いますが、それらに含まれているのが虫・ゴキブリ・カビなどがイヤがる成分であるホウ素系薬剤です。ホウ素系薬剤は眼科で目の洗浄に使われているほど人体には悪影響のないものですので、安心して使用することができます。
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