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【コラム】ハウスメーカーはなぜ気密測定をしないのか?|測られない“高性能住宅”と制度の盲点


ハウスメーカーはなぜ気密測定をしないのか?測られない高性能住宅と制度の盲点


はじめに|「測られていない性能」に安心できますか?


最近よく耳にする「高性能住宅」。断熱等級6、HEAT20 G2、UA値0.46…広告はどれも魅力的ですが、果たしてその性能は現場で実際に測定されているのでしょうか?

多くの大手ハウスメーカーは、気密測定(C値)を実施していません。このコラムでは、その理由と制度の背景、そしてLAPIAS DESIGNが“測る”ことにこだわる理由を詳しく解説します。



📐 気密性能(C値)とは?|家の快適性を左右する「隙間の量」


気密性能は「C値(相当隙間面積)」で表され、住宅1㎡あたりに存在する隙間面積(cm²)を示す数値です。この数値が低いほど、高気密=高性能な住宅とされます。

たとえば:

  • C値 1.0以下:一般的な高気密住宅

  • C値 0.5以下:断熱等級6にふさわしい性能

  • C値 0.3以下:超高気密住宅のレベル

C値が低い家=省エネ・快適・長寿命の家といっても過言ではありません。



❓ なぜ高性能住宅と謳うハウスメーカーは気密測定をしないのか?


実は多くのハウスメーカーは、UA値(断熱性能)だけを広告に使い、C値(気密性能)は意図的に測定していません。その裏には次のような“都合”があります:

🚫 1. 測定すると“施工のバラつき”がバレる

全国展開するハウスメーカーでは、施工が地域の外注業者に任され、品質にばらつきが生じがちです。気密測定をすると、それが数値として露呈してしまうため、避けているのです。

🚫 2. 測定不合格で手戻りとコスト増加

測定で規定値を超えた場合、手直し・再測定・工期遅延が発生します。それを回避するため、「最初から測らない」という選択がされているのです。

🚫 3. 広告の「高性能住宅」と現実の乖離が明らかに

“高性能”をうたっていて、C値が1.5だった…そんな結果が出れば、ブランドイメージに致命傷です。だからこそ、「測らない方が都合がいい」と判断しているのです。



⚖️ 法制度との関係|なぜC値は義務化されないのか?


建築基準法では、断熱性能(UA値)は義務化されていますが、気密性能(C値)は制度に含まれていません。理由は以下の通りです:

  • C値は現場での実測が必要 → 設計審査では確認できない

  • 測定義務化にハウスメーカーが反対

  • 国交省は「現場負担が大きい」として制度化を見送り続けている

その結果、気密性能が測られていなくても「高性能住宅」と名乗れるという構造が維持されているのです。



🏢 業界構造の闇|国交省とハウスメーカーの“癒着的な共存”


気密測定が制度に含まれない背景には、業界団体と行政の癒着的な関係があります。

  • 政策会議には大手ハウスメーカー系団体の関係者が多数参加

  • 測定義務化には一貫して「現場が対応できない」と反対

  • 補助金制度でもC値は対象外のまま

このように、制度そのものが「測られない性能」を正当化してしまっているのです。



🛠 LAPIAS DESIGNは、だから「測ります」


私たちは、“あえて”測ります。

というのも、本当に快適な家をつくっている工務店の多くは、当たり前のように気密測定を行っています。大手ハウスメーカーが避けて通っているだけで、**実は地場の技術力あるビルダーの間では、気密測定はもはや“良質な家づくりの常識”**です。

LAPIAS DESIGNも、そんな地域のものづくり精神を受け継ぐ一社として、次のように取り組んでいます:

  • ✅ 全棟で気密測定(C値)を実施し、その結果をお施主様に開示

  • ✅ 設計段階から気密計画を立て、現場と連携して性能を実現

  • ✅ 「高断熱」「高性能」といった言葉だけではなく、実測と体感でその差を感じていただくことを大切にしています

これは、国に言われたからやるのではありません。私たち自身が、“住む人の未来のためにやるべきこと”と考えて、日々の現場で取り組んでいます。



まとめ|「測られていない住宅」に、高性能と呼ぶ資格はあるか?


図面上の断熱性能では、実際の快適さは保証されません。C値の測定がなければ、どれだけUA値が優れていても、その性能は“絵に描いた餅”に過ぎないのです。

今、住宅選びで本当に問われるべきは、

「その家、測られていますか?」

という問いかけです。

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