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【コラム】高気密高断熱 デメリット ― 過信せず正しく理解したい新築住宅の注意点

高気密高断熱のデメリット

高気密高断熱 デメリットを数値で解説。家族の生活で1,000〜2,000Wの熱源が発生。冬は快適に働くが、夏は冷房負荷に直結。過信せず夏対策が必須。




はじめに


新築を検討する際、「高気密高断熱の家なら冬も夏も快適」と思う方は多いでしょう。確かに、低性能住宅に比べれば高気密高断熱住宅の方がリスクは小さいのは事実です。しかし、「高気密高断熱だから大丈夫」と過信してしまうと、思わぬデメリットに直面することもあります。

本記事では、高気密高断熱住宅のデメリットを数値を交えて分かりやすく解説し、これから家づくりを考える方に注意していただきたいポイントをまとめます。



高気密高断熱 デメリット① 内部発熱がこもりやすい


人の体は1人あたり約 100W の熱を発生します。

  • 家族4人で 400W

  • 家電で 200〜300W

  • 調理で 1,200〜2,000W

合計すると、1,000〜2,000Wの熱源が家の中にある計算です。

これは暖房器具に例えると、

  • 1,000W=オイルヒーター1台

  • 1,500W=セラミックファンヒーター強運転

  • 2,000W=小型ストーブ2台または6〜8畳用エアコン暖房

つまり、暮らしているだけで“常時ヒーターを点けている”のと同じ熱量が発生しています。

  • 冬:この熱が暖房を助け、快適性にプラス

  • 夏:同じ熱が冷房の負担になり、冷房なしでは短時間で2〜3℃上昇することも

高気密高断熱住宅は熱が逃げにくいため、内部発熱を制御する冷房計画が不可欠です。



高気密高断熱 デメリット② 過信による夏の快適性の低下


高性能住宅は「外からの暑さを遮断する」点では優れています。しかし内部発熱がこもるため、夏においては日射遮蔽・通気・換気設計がなければ快適性を損なう可能性があります。

一方、低性能住宅は外からの熱がそのまま侵入し、内部発熱と相まってさらに過酷な環境になります。つまり、

  • 低性能住宅=外気の影響で室内が悪化

  • 高性能住宅=外気は防げるが内部熱を逃がせず冷房に依存

どちらも夏はリスクがあるのです。



高気密高断熱 デメリット③ 湿気と耐久性への影響


夏は湿度が高く、結露やカビの温床になりやすい季節です。

  • 高気密高断熱住宅でも、換気や通気計画が不十分だと内部に湿気がこもりやすい

  • 長期的には建材や構造材の劣化を招き、住宅寿命を縮めるリスクも

性能が高い家ほど「湿気リスクを軽視しない設計」が重要になります。



高気密高断熱 デメリットを防ぐために必要な対策


  1. 日射遮蔽:庇・シェード・植栽で直射日光を遮る

  2. 計画換気・通気:湿気を効率的に逃がし、カビや結露を防ぐ

  3. 断熱・気密+冷房計画:UA値0.46以下、C値0.5以下を前提に、効率的な冷房運用を考える

  4. シンプルな冷房機器:汎用エアコンで家じゅう快適にできる設計



まとめ


  • 高気密高断熱住宅は低性能住宅より夏リスクは小さい

  • しかし「高気密高断熱だから大丈夫」という過信は危険

  • 人体・家電・調理で 1,000〜2,000W=暖房器具数台分 の熱が常時発生

  • 冬はプラスに働くが、夏は冷房負荷となりリスクに直結

  • だからこそ、断熱・気密性能を前提に“夏対策”を設計に組み込むことが重要

Lapias Designでは、冬の快適性を当然の前提としつつ、夏を制する住宅性能こそ本当に安心できる家だと考えています。

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