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【コラム】注文住宅と補助金制度の真実──住宅性能より設備?経済産業省とハウスメーカーが主導する時代に“快適な家”を選ぶには

注文住宅の補助金は誰のための制度なのか?

注文住宅の補助金制度は、住宅性能ではなく設備優先?経済産業省主導でハウスメーカーに有利な今、本当に快適な家を建てるために知っておくべき制度の真実とは。


7.結論



注文住宅に本当に必要なのは“補助金”か、“住宅性能”か──快適な家をつくるために経済産業省とハウスメーカーの関係を知る


注文住宅を建てるとき、「補助金がもらえるかどうか」を判断基準にしている人は少なくありません。特に近年は、経済産業省主導のGX住宅やZEH補助金など、高性能設備の導入を条件にした制度が増えており、ハウスメーカーを中心とした大手住宅会社が優位に立つ構造になっています。

しかし、補助金対象になるような仕様や設備は、しばしば価格が高く値引きが利かず、実質的にユーザーの負担が増えるケースもあります。その一方で、補助金に頼らなくても、住宅性能そのもの──断熱・気密・耐久性・通風設計──がしっかりした住まいを選べば、結果的に設備依存せず、快適な家が実現できます。

つまり、補助金の制度が“お得”に見える一方で、実際は「経済効果」や「市場活性化」が目的であり、必ずしもユーザーの暮らしを最優先しているわけではないという視点が必要です。本当に納得のいく注文住宅を建てるには、制度に振り回されず、自分たちの暮らしに必要な“性能”を見極めることが、これからの家づくりに求められているのです。



補助金制度の主導が“国交省から経産省へ”──暮らしより経済優先の構造


かつて住宅政策は、国土交通省が中心でした。しかし近年は、補助金や法整備の実権が経済産業省主導に移っています。

国交省が重視していたのは「暮らしの質」「耐震性」「断熱性」など住宅そのものの健全性。対して経産省が重視するのは、「エネルギー効率」や「設備導入による経済効果」です。

その結果、補助金制度は“いかに設備を入れたか”を基準にし、建物本体の設計力や施工精度は評価されにくい仕組みへと変わってきています。



「性能を評価しているように見せている」──制度の巧妙なトリック


たしかに、現行の補助金制度には「断熱等級」「外皮性能(UA値)」といった性能指標も記載されています。しかし、それらはあくまで計算上の基準にすぎず、次のような問題があります。

  • C値(気密性能)は評価対象外

  • 計算通りに施工されているかのチェックはない

  • 温熱環境や室内空気質など“体感性能”は見られていない

つまり、“性能を評価しているように見せている”が、実際は設備に偏った評価で、暮らしの実態とはズレているのです。



高額設備=お得とは限らない。導入コストと補助金の“逆転構造”


補助金対象となる設備は、一見お得に見えますが、実は…

  • 値引き不可の指定品番

  • 機能の違いはわずかでも価格差は倍近い

  • 補助金額<導入費用 になることがほとんど

例:補助金15万円  → 対象設備の定価50万円  → 同等性能の市販モデルなら25万円程度

結果的に、補助金を得るために“余計に払っている”構図になっているのです。そして、それは「誰のための制度か?」という根本的な問いにつながります。



高性能住宅なら、そもそも“高額な設備”に頼る必要がない


断熱・気密・通風・日射制御など、住宅そのものの性能を高めることで──

  • 一般的なエアコン1台で全室快適

  • 機器に過剰投資しなくても省エネを実現

  • 故障時も市販品に買い替え可能で柔軟

  • 生涯コストを大きく抑えられる

本来、住宅は設備に依存しなくても快適さを実現できる器であるべきです。



異常気象時代の落とし穴──高価格エアコンの寿命が短くなる現実


近年の猛暑や酷寒で、エアコンの稼働時間は伸び、以下のような傾向が強まっています。

  • 10年もたない機器が増加

  • 修理より買い替えが現実的

  • 補助金は1回だけ、次回は自己負担

高価格エアコンを入れても、気候変動によって寿命が縮まり、その都度高額な再投資が必要になる暮らしに。一方で、高性能な建物にしておけば、廉価モデルを継続的に使っても快適性が保たれ、結果として生涯コストは低くなるのです。



結論:「制度に合わせた家」より「暮らしに合わせた家」を


補助金は一つのツールではありますが、それが家づくりの目的になってしまっては本末転倒です。

  • 「補助金が使えるからこの設備を選ぶ」

  • 「制度の条件に合わせた間取りや性能にする」

こうした判断が繰り返されれば、制度が選んだ“平均的な家”に、あなたの暮らしが押し込められてしまうかもしれません。

制度に評価されなくても、あなたと家族に評価される家──それこそが、真の注文住宅であり、未来に価値を残す家です。

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