【コラム】<地震に強い家づくり>重心を下げる外壁設計の工夫とは?
- LAPIASDESIGN
- 5月12日
- 読了時間: 3分
更新日:5月17日
三重県津市を中心に注文住宅を手がけるラピアスデザインでは、耐震性と美しさを両立する住まいづくりを行っています。今回は、【Finfina・Konforta・Normo】各シリーズで採用している「重心を下げる 外壁設計」について詳しくご紹介します。
なぜ“重心を下げる”と地震に強くなるのか?
建物の重心を下げることは、耐震性を高めるための基本的かつ効果的な手法です。理由は以下の通りです:
① 転倒モーメントを小さくできる
地震の横揺れは、建物に「倒そうとする力(モーメント)」を与えます。重心が高ければ高いほど、そのモーメントが大きくなり、建物が揺れやすくなります。重心が低ければ転倒の力を小さく抑えることができ、安定性が増します。
② 振り子のように揺れにくくなる
建物は“逆さまの振り子”のようなもの。上部が重ければ揺れ幅が大きくなり、地震のエネルギーを受けやすくなります。2階を軽くすることで振れ幅が減り、揺れにくい構造になります。
③ 柱や梁など構造材の負担を軽減
重たい外壁材は建物の構造に常に荷重を与えます。特に2階に重さが集中すると、柱・梁・基礎に大きな力がかかり、地震時の被害リスクが高まります。軽量な外壁で2階を仕上げることで、構造全体の負担を軽減できます。
上は軽く、下は選べる 〜外壁設計のルール〜
ラピアスデザインの外壁設計では、**2階部分に軽量な「ガルバリウム鋼板」**を採用しています。ガルバリウムは、亜鉛・アルミ・シリコンの合金でできており、軽量でありながら非常に高い耐久性を持つ素材。窯業系サイディングに比べて重さは約1/3以下。その軽さが、耐震性のカギになります。
一方、1階部分には意匠性を重視した素材選びが可能です。ジョリパット仕上げや板張り、窯業系サイディング、さらにはタイル張りなど、豊かなデザインバリエーションをご用意。建物の重心は低いまま、見た目にも個性が表現できる外観を実現しています。

2階は軽く、1階は自由に――重心を下げる外壁設計のポイント
ラピアスデザインでは、2階部分に軽量かつ高耐久なガルバリウム鋼板を使用。これにより、建物全体の重心を下げる効果があります。ガルバリウムは窯業系サイディングの約1/3の重さ。だからこそ、建物を軽く保ち、地震の揺れに強くなります。
一方、1階部分はデザイン重視で、以下の外壁材から選択可能です:
ジョリパット仕上げ(左官仕上げ)
板張り(天然木)
窯業系サイディング
タイル張り
デザイン性を保ちつつ、重心を下げた重量バランス設計が可能です。
Normoに見る「重心と構造の最適解」
【Normo】シリーズでは、7,280mm角の正方形に近い総二階構造を採用。これにより、重心の位置が安定し、外壁の荷重もバランス良く分散されます。2階にも比較的重い窯業系サイディングを使用できますが、構造的な剛性と形状の安定性によって、十分な耐震性を確保しています。
まとめ:重心を下げる 外壁設計で「美しさ」と「強さ」を両立
地震大国・日本において、建物の“揺れにくさ”は命を守る性能の一つです。ラピアスデザインでは、デザイン性だけでなく、建物の構造力学に基づいた外壁の重量バランス設計により、安全性と美しさを兼ね備えた住まいをご提案しています。
「2階を軽く、1階を自由に」――これが、見えない部分までしっかりと考え抜いた、ラピアスデザインの家づくりです。
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