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【コラム】住宅の寿命はなぜ日本だけ短いのか?―世界との比較から考える家の“余命”

家の余命って知っていますか?

住宅の寿命がなぜ日本だけ短いのかを世界との比較から読み解き、長寿命住宅に必要な設計・素材・思想までを詳しく解説。


住宅の寿命、日本と世界でなぜこんなに違う?


「住宅の寿命」は、国や文化によって大きく異なります。日本の住宅寿命は平均約30年。一方、アメリカは55年、イギリスは80年以上とされています。

国名

平均住宅寿命

日本

約30年

アメリカ

約55年

ドイツ

約65年

イギリス

約80年

この住宅寿命の違いには、制度・文化・気候・建築思想の差があります。特に日本では「新築偏重」と「リセール価値の低さ」が、30年での建て替えを当たり前にしてきました。



日本の住宅は30年で壊れる? それとも壊したくなる?


「日本の家は30年しかもたない」――これは誤解です。実際には、多くの住宅が30年以降も使用されています。しかしその裏には、大がかりな修繕やリフォームが潜んでいます。

例:築30年超住宅に必要な改修例と費用目安

修繕箇所

内容

費用目安

屋根葺き替え

瓦/スレート交換・防水再施工

150〜250万円

外壁補修

張り替え or 再塗装

100〜200万円

設備更新

給湯器・キッチン・トイレ

150〜300万円

構造補修

シロアリ・腐食・土台入替

100〜200万円

耐震補強

筋交い増設・基礎補強

150〜400万円

こうした修繕を経て延命している家も多く、実質的には“建て替えに近い大改修”になるケースもあります。つまり、「30年で壊れる」のではなく、「30年で壊したくなる」ような状況になる家が多いのです。



住宅寿命を延ばす鍵は、“素材×構法×思想”


住宅の寿命を左右する本質は、スペック数値以上に以下の3つです:

● 素材の耐久性

  • 腐朽に強い防腐処理木材(例:ハウスガード材)

  • 高耐候の外壁材(30年保証サイディング、ガルバリウム鋼板)

  • メンテナンス性と経年美を両立する自然素材

● 構造と湿気対策

  • 床下換気と通気層の確保

  • 一体打ちベタ基礎+防湿シート

  • 小屋裏・壁内結露を防ぐ断熱設計(断熱等級6〜7)

● 設計思想=“住み継ぐ前提”

  • 設備更新がしやすい配管計画

  • 子世帯・老後も対応できる可変性ある間取り

  • 10年、20年後を見据えた外装計画と更新サイクル

これらが揃って初めて、住宅寿命を50年・100年へと引き伸ばすことが可能になるのです。



住宅の寿命を“価格”だけで決めないために


短命な住宅は初期費用が安くても、長期的には修繕費・更新費で数百万〜1000万円以上の差が出ることも。それは、住宅ローンを払い終える頃に大規模修繕を迎えるという現実です。

✅ 家の寿命=コストの寿命

✅ 修繕しながら住む=常に不安と隣り合わせ

✅ 長寿命住宅=時間・お金・心の余白を守る選択



日本の住宅寿命を変えるには、“思想のアップデート”が必要だ


欧米では「家は資産」。日本では「家は消耗品」という価値観が未だに根強くあります。しかし、これからの家づくりには寿命を伸ばす設計思想が求められます。

  • 高性能だけでは不十分

  • デザインだけでも続かない

  • 建て方に思想が宿る時代へ

Lapias Designでは、「100年住める家」を前提に構造・素材・暮らし方まで設計しています。住宅寿命を“建てた日から測る”のではなく、“住み継がれる日まで考える”。それが、これからの住宅に求められる新しい常識です。



住宅寿命、日本比較で見ると「選び方」が問われている


再確認しましょう。

  • 日本の住宅寿命:約30年

  • 欧米諸国:約50〜80年

この差は、単なる環境の違いではなく、設計思想と社会制度の差です。そして今、日本でもその価値観を変える時期にきています。

あなたがこれから建てる家は、30年後に壊したくなる家ですか?それとも、100年後に誰かが住み継ぎたくなる家ですか?



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